画像クリックで拡大
エレール 1.24 80763
トラクシオン・アバン (フランス語で「前輪駆動」の意) は、シトロエンが第二次大戦前後の時期に生産していた前輪駆動車の通称です。前輪駆動方式の特徴を活かした先進的な設計により、走行性能と快適性を非常に高い次元で両立し、自動車史に残る傑作と言われています。
それまでの乗用車は、シャシーの上にエンジンとボディを乗せるという基本構造が一般的でしたが、トラクシオン・アバンは、エンジン、トランスミッション、フロントサスペンションを一体構造とし、それをモノコック式のボディと前後にドッキングするという画期的な構造を採用していました。
トラクシオン・アバンの最初のモデルである4気筒1300ccの7CVは1934年に発表され、同年に4気筒1900ccの11CVが、1938年には6気筒2900ccの15CV-sixが発売されました。11CVと15CVの生産は大戦後もそれぞれ1957年、1955年まで続けられ、23年間に約76万台のトラクシオン・アバンが生産されています。
全長 | 4,760mm |
---|---|
全幅 | 1,790mm |
全高 | 1,560mm |
ホイールベース | 3,087mm |
トレッド | (前) 1,480mm (後) 1,480mm |
車両重量 | 1,325kg |
エンジン | 水冷直列6気筒OHV |
内径×行程 | 78.0mm×100.0mm |
総排気量 | 2,867cc |
圧縮比 | 6.3 |
最高出力 | 77ps/3,800rpm |
変速機 | 3MT |
駆動方式 | FF |
サスペンション | (前) ダブルウィッシュボーン +トーションバー (後) トレーリングアーム +トーションバー |
タイヤサイズ | (前) 185-4.00 (後) 185-4.00 |
ブレーキ | (前) ドラム (後) ドラム |
実車の構造がよく再現されていて、一体化されたパワートレインをモノコックボディに合体するという実車の特徴的な構造もそのまま模型化されています。組みにくい部分は多かったのですが、その構造に関心しながら楽しんで製作することができました。完成した雰囲気も素晴らしいと思います。
ボディカラーはMr.カラー2番ブラックで、クリアーは155番スーパークリアーです。クリアー (1週間以上乾燥) → ペーパー1500番 → クリアー (1か月以上乾燥) → ペーパー2000番 → タミヤ・コンパウンド (粗目→細目→仕上げ目) →ハセガワ・コーティングポリマーという順に仕上げました。
ヘッドライトの中にはクリアーイエローに塗った模造ダイヤを張り付け、レンズもクリアーイエローで薄く着色しました。ボンネットの把手は0.7mm洋白線、ドアのヒンジは0.5mm洋白線です。サイドウインドウはランナーからもげてヒビが入っていたので、0.4mm厚の透明プラバンに置き換えました。 (28作目 2007年11月2日完成)