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タミヤ 1/24 スポーツカーシリーズ No.339
トヨダ スタンダードセダン(AA型)は、1936年(昭和11年)に誕生した、トヨタ初の量産型乗用車です。開発・製作を担ったのは、豊田喜一郎が率いる豊田自動織機製作所自動車部で、日本の自動車産業が本格的に歩み始めた象徴的存在として、自動車史にその名を残しています。
「AA型」という名称は社内における車両形式で、当時のカタログには「トヨダ スタンダードセダン」や「トヨダ乗用車」などの名称で記載されています。なお、1936年の発表時、車名(および社名)は「トヨダ」でしたが、翌月には「トヨタ」へと改められ、1937年には自動車部がトヨタ自動車工業株式会社として独立しました。
1930年代の日本では、フォードやシボレーなどのアメリカ車が市場の多くを占めていました。その状況の中で、豊田喜一郎は国産による乗用車の必要性を強く意識し、1930年からエンジン研究を開始します。1934年にはシボレーエンジンを手本にした直列6気筒OHVのA型エンジンを完成させ、1936年、このエンジンを搭載したAA型を完成させました。
AA型は、クライスラーのデソート エアフローに強く影響を受けた流線形ボディを採用していました。足回りは前後ともリジッドアクスルと縦置きリーフスプリングを組み合わせ、さらに4輪油圧ドラムブレーキを採用するなど、当時の日本車としては、極めて先進的な構成でした。
AA型の発売当初の価格は3,350円(現在の価値に換算すると約700万円弱(物価指数換算))で、ボディカラーは当初、黒、灰桜、茄子紺の3色が用意されていたといわれています。1942年までに1,404台が生産されましたが、販路は限られ、官公庁や旧日本陸軍などが主なユーザーでした。
AA型と同時に登場したAB型は、AA型をベースとしたオープンモデル(フェートン)です。大半は旧日本陸軍に納入され、陸軍仕様はABR型と呼ばれました。戦時下の1943年には、AA型の簡略化モデルとしてAC型が開発されました。AC型もほとんどが軍用でしたが、戦後の1947年には在庫部品を用いて少数が生産され、これが戦後最初の国産乗用車となっています。
AA型・AB(ABR)型・AC型は、生産台数が少なかったうえ、戦争による被災や戦中戦後の酷使により、ほぼすべてが失われました。AA型で現存しているのは、オランダのラウマン自動車博物館が所蔵する1台のみとされています。一方、AB型(ABR型)は、トヨタ博物館と日本自動車博物館に現存車が所蔵されています。
| 全長 | 4,785mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,730mm |
| 全高 | 1,736mm |
| ホイールベース | 2,850mm |
| トレッド | (前) 1,440mm (後) 1,450mm |
| 車両重量 | 1,500kg |
| エンジン | 水冷直列6気筒OHV |
| 内径×行程 | 84mm×102mm |
| 総排気量 | 3,389cc |
| 圧縮比 | 5.4 |
| 最高出力 | 65hp/3,000rpm |
| 最大トルク | 19.4kg-m/1,800-2,000rpm |
| 変速機 | 3MT |
| 駆動方式 | FR |
| サスペンション | (前) 固定 半楕円リーフ (後) 固定 半楕円リーフ |
| タイヤサイズ | (前) 5.50-17 (後) 5.50-17 |
| ブレーキ | (前) ドラム (後) ドラム |
| 価格 | 3,350円 |
トヨダAA型は、日本の自動車史において非常に重要な意味を持つ車です。このキットは、自動車の歴史を「プラモデル」という形で手にとって楽しめる、とても意義深い製品だと思います。キットの精度は高く、さすがはタミヤ品質です。メッキ部品も非常に綺麗で、今回はそのまま使用しました。
本キットは、シャシーなどABS樹脂部品の組立てに、ABS用接着剤が必要です。これまで使用する機会がなく、手持ちがなかったため、今回新たに購入しました。また、部品の取り付けに1.2mm径の穴あけが指定されている箇所があります。タミヤのドリル刃セットには1.0mmと1.5mmは含まれていますが、1.2mmは含まれていないため、1.0mmで穴を開けてから針ヤスリで広げました。
デカールは、細いライン状のものを△形状モールドの頂点に合わせて貼る必要があるものが多く、何箇所か失敗してしまいました。フロントからサイド、リアへと連続するラインは、予備デカールでパッチワーク的に修正しました。ボンネットサイドの3本のルーバーは、塗装でやり直しています。さらに、サイドステップ部のデカールも失敗したため、ハセガワのミラーフィニッシュを使用しました。
ボディカラーは、実車の「灰桜」色の再現を目指しました。キット箱側面のイラストでは、灰桜が薄茶色寄りに描かれていますが、色名からイメージする色とは異なって感じられたため、調色することにしました。Mr.カラーC1ホワイトと色ノ源3色で調色しましたが、実際に塗装したら紫寄りになってしまいました。トヨタ博物館の灰桜色の実車(レプリカ)は箱イラストに近い色合いで、そちらの方が、実車に忠実なのかもしれません。
このキットには人形が付属しています。人形製作のノウハウはほとんどなかったのですが、マスキングしながらエアブラシで大体の塗装をした後、陰影や顔の細部は筆によるエナメル塗装で仕上げました。慣れない人形製作で改善点も多いと思いますが、とても楽しく、思っていたよりリアルに仕上がったので満足しています。(84作目 2025年12月2日完成)